あの…今度打ち上がる新型の地球観測衛星(陸域観測技術衛星だいち ALOS)ってあるだろ?
なんかどっかの手下がばら撒くムチャクチャな理論でのツッコミ(空母から戦略爆撃機が飛べる系)は論外なんだけども、少なくとも表立ったところで、そういえばあれって偵察衛星になり得るんじゃね?っていうツッコミをぜんぜん聞かないよなァということで、珍しくちゃんとした(笑)サイトを見に行ってみたぞ。
その名もJAXA『宇宙航空研究開発機構』だ。

さてさて、さっそく冒頭の偵察衛星ウンヌンについて見てみると、JAXAによれば『だいち』の観測システムごとの分解能が、え〜と…

立体視センサーで2・5m
赤外線放射計 合成開口レーダーともに約10メートル

ああ、こりゃツッコまれないわけだ(苦笑)。
分解能とはすなわち画像をどこまで細かく区切れるかってコトだから、だいち君は一番細かくても2・5m四方以下になったらモザイク画像。施設の有無ぐらいは見分けがつくかもしれないが、偵察衛星なぞと言ったら今じゃ1m2mの判別は当たり前、解像度によっちゃ宇宙から新聞読めるだのというレベルのシロモノまであると言うのだから、だいち君を偵察衛星よーっと大騒ぎする人間が台頭しないのも頷ける。
まあ、自己満足型の平和屋ってのは妙なところばかり必死に叩くわりに、間の抜けたところがノーマークだったりするんで、無知なのが怖いやら笑えるやら…




ちなみに、だいち君に与えられた任務は「地図作成」。
JAXAもFAQによれば、ピンポイントでの高精度観測を目的とする偵察衛星と違って、言葉は不適当かもしれないが地球上を広範にざっと走査して、その情報をいち早く地上に送ってくる能力に最適化されているそうな。解像度が低いのも、データ容量を減らすためにあえてこの辺りが選択されているのだとか。
こうして地形情報を蓄積してデータベース化しておいて、過去現在のデータを比較することで地震の際の変動や環境破壊の進行具合なんかを調査するのに役立てる。
どっかのIT社長のように、宇宙旅行のごときハデな夢は無いかもしれないが、こういう実用的な『お星様』が、我々の頭上をくるくるしているという訳だ。

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